
PROJECT MEMBER
オホーツク海沿岸の高台に建つ夫婦と子ども達のための住宅です。 漁業を営む建主はシーズン中は夜明け前から出漁し夕方前に帰宅、冬季は流氷により漁以外の仕事をして過ごすため季節によって生活のスタイルが変化します。 「大きな中庭が欲しい」そんな建主の言葉から始まったこのプロジェクトは、家族や友人が集うリビングと中庭を中心に、床高や気積の緩急をつけながらリゾーム状にあえて死角をつくりながら繋ぎ、家族で活動時間が違っても部屋に籠らず諧調する居場所の選択性と、性質の異なるアルコーブのような奥行きを持たせました。 厳寒な風土において、冬季は床暖房だけでも過ごせる性能により温度ムラの少ない多様な過ごし方を許容します。 冬はガレージを閉じることでエントランスの風除室を兼ね、夏は車をガレージから出し開放することで、 ダイニングからT字路の先まで連なる半屋外空間として過ごし方や遊び方の幅を広げます。