三鷹の家 / House in Mitaka

ビルディングタイプ
共同住宅・集合住宅・寮
6
372

補足資料

平面図
図面
アイソメトリック
ダイアグラム

PROJECT MEMBER

DATA

CREDIT

  • 撮影
    中村晃
  • 設計
    KTdr
  • 担当者
    髙橋洸太
  • 施工
    ROOVICE

観葉植物を多数所有する夫婦と子供1人のためのマンション住戸の改修である。 既存マンションはかつてこの土地を流れていた川に平行に構えており、東西南北に区画整理された周辺の建物に対して斜を向いて建っている。そのため、周辺との見合いをさほど気にすることなく抜けを確保することが可能だった。 また、バルコニーレスのフルハイトサッシや低層住宅に面する出窓から差し込む自然光は、時間によって移り変わる光に満ちた浮遊感ある住空間を設計者に想像させてくれた。 この改修では、様々な光が入り込む3面開口と住人の個性を掛け合わせた明快な空間構成とした。 具体的には、住戸の中央を長手方向に走る曲面壁を挿入し、空間のプロポーションによって定義された様々な居場所がゆるやかに連続するワンルーム空間(=ドマ)をつくり、曲面壁の内部には水回りや寝室などのプライベート空間を配置した。さらにキッチンを含む木造作を出窓面にリニアに配置することで、長手方向に3つの領域が並列する構成としている。 このことにより、ドマは将来的な家族形態の変化にも対応できる余白を包含し、植物がインテリアに入り込む余地を生みだした。 各所の仕上げは、水やりや鉢の移動を考慮したリノリウムの床材、珪藻土を練り込んだ壁の左官、ラワンの造作で構成し、有機的なムラを持つマテリアルで統一した。色調はトーンを抑えたニュアンスカラーとし、光の機微を繊細に拾うことを意図している。 ドマの端部はガラスの建具で間仕切り、サンルームとして使っている。いずれ子供が大きくなればサンルームは子供部屋となり、植物はワンルームの中へ移動することになるだろう。 子供の成長に合わせて植物たちもドマの中を遷移し、その時々で移り変わる暮らしが展開されることを期待している。

6