Floating BOX

敷地は六甲山南麓台地に位置し、地域内には山手幹線・阪急神戸線・JR東海道本線が横切っており、町の北部には山手中学校・宗円寺、南部には三条八幡神社があり、閑静な住宅地でありながらも、交通の便がよく、歴史的な背景も存在する地である。 当該計画地は、西側は急勾配な道路に面し、その他周囲は隣地住宅に囲まれている。しかし、傾斜地であることから計画地は周囲よりも約4m地盤が高く、東面の眺望は開けており、大阪・神戸を見渡せるすばらしい景色が広がる。そのような環境を最大限活かすよう、大開口が可能な鉄骨造で計画は進んだ。 建物は23.2m*6.6m*4.7mのシンプルな白い箱とし、それを8本の丸柱で地面から持ち上げた。建物を浮遊させることで、隣地から解放された見晴らしを獲得し、かつプライバシーの確保にも貢献している。 1階はピロティの浮遊感を損なわないよう、ガラス張りの玄関と収納のみとした。周囲にめぐらせた水盤と植栽はクライアントが収集されている美術品がつながり、開放的なギャラリー空間として訪れる人を楽しませてくれる。2階の各室は眺望が広がる東面のみ大きなガラス建具とし、それ以外の面は極力閉じることで、開放的かつプライベートな住空間を実現させている。ただ和室だけは落ち着いた陰影のある場にしたいということから、最低限の開口に抑え、LDKなどとはメリハリをつけている。 外装材は鉄骨造のもつ柔軟性や下地ALCのことを考慮し、弾性性能に優れた素材を選定している。内装材は東側に広がる眺望の移ろいを存分に楽しむよう、タイルやEP塗装などグレーを基調とした色合いでシンプルにまとめあげている。

チーム

メンバー

クレジット

  • 設計
    マニエラ建築設計事務所
  • 担当者
    大江一夫、大江てるみ、大江泰輔、足立誠士
  • 施工
    三幸建設㈱
  • 構造設計
    玉木建築設計事務所
  • 撮影
    松村写真事務所 松村芳治

データ