SETOYAMA

ビルディングタイプ
別荘

PROJECT MEMBER

DATA

CREDIT

  • 設計
    MORIYA AND PARTNERS
  • 担当者
    森屋隆洋
  • 施工
    大同工業
  • 構造設計
    A.S.Associates
  • 撮影
    GEN INOUE

「SETOYAMA」は海を望める高台にある、川に沿ってできた崖地が縦断している長細い敷地の上に建つ別荘です。
この土地は、およそ4000 年前の噴火によってできた溶岩層の硬い台地の上に、木々が根を張った雑木林でした。故に長い間、人の手が入っておらず安定した自然のテリトリー下にありました。

定住を前提としない建築の場合、手入れが行き届きにくく、建築が自然に近付き過ぎればたちまちに飲み込まれてしまいます。 私たちはこの土地そのものを改変する造成工事や、森の境界線に手を入れることは極力避けて、自然のテリトリーと一定の距離感を築きながらも、森に埋もれるように周辺環境へ軽やかに溶け込むような、自然と機能が上手に調和する場所をつくれないかを模索しました。

クライアントは「リビングからの海の眺望」を重要視していました。そこで木々の切れ間から望む海景と木立をフレーミングするために、メインの居室を地面から離し、上部の構造を崖側に大きく張り出す計画としました。 
基礎は急斜面地にあった為、崖地から極力離す必要がありました。 そこで基礎からオーバーハングさせた木造フレームを立体トラス状に組み、崖上に大きく張り出す構造を成立させながらも、広がりのある内部空間を実現しました。
階下空間は、河川から吹いてくる心地よく冷えた風の流れを上部の室内に導入するための環境装置の機能を備えており、森林浴を楽しむためのテラスとして機能しています。

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