徳島県鳴門市の竹林が茂る川沿いに夫婦二人と犬2匹が暮らす住宅を計画。 南北に細長い計画地は、北側に工場、西側に新しい住宅が並び、南側は畑、東側は河川敷に竹林が生い茂る川が流れている。 敷地の有効活用とプライバシー確保、日射取得を考慮し、建物を西側によせて東側の竹林に向けて開く平面構成とした。 天井高さを変化させる折板状の屋根と折れながら繋がる外壁は、リビング、ダイニング、フリースペースなど各エリアをパーテーションのように分けながら、外部へと続いていく。 外部へ延長された折り壁は、折れていることで自立する塀になり、竹林方向へと連続することによって、住宅地のスケールから河川、農地のスケールへとパースをきかせながらゆるやかに意識をつなげる。 また室内からは、柱→方立→竹林(縦材)がランダムに立ち並びながらもグラデーションのように細くなっていくことで、柱と方立が風景として竹林に溶け込む。それにより室内から外への意識が自然に繋がっていく。 室内は、生活の一部に車と犬が入り込むため、一体感を感じながらも適度な距離感を保つように、ワンルームの空間としながら、用途ごとにレベルの異なる3つのフロア(車のフロア、犬のフロア、人のフロア)の断面構成とした。 車のフロアから一段上がった犬のフロアを庭と同レベルにし、仕上げを全面土間とすることで庭とのつながりが生まれ、庭への行き来と通風確保を可能とする。そこから1m上がったレベルを人のフロアとし、大型犬の抜け毛が人の生活空間にあがらないようにし、お互いが自由にストレスなく暮らせるように配慮した。 車のフロアで作業する旦那さん、犬のフロアで歩き回る大型犬、人のフロアでキッチンに立つ奥さんがいつもお互いの気配を感じながら暮らすことができる。